悪路、ぬかるみ惑い

なんか無節操なこと備忘録兼ねて

暗黒の出来事

体育の時間にリーダーグループたちが騒ぎだした。○番のゼッケンが臭い、あの番号だけは絶対無理なんだけどと矢継ぎ早に言う。
ゼッケンはランダムに配られ列ごとに回されていく、自分のところにもやってきた。臭いゼッケンというのがわからなかった。番号も臭いも。回されたゼッケンは特に汗臭いということもない、ほのかな洗剤のような匂いがする。
全員に配られ終わった後、グループの誰かが皆に聞こえるくらいの声で言った。

「○番の臭いゼッケン誰になったのー?」「自分さんだってー」、「あーなら良かったー!」クスクスと笑いが起こっていた。
臭いゼッケン=自分の方程式が知らしめられる

グループが勝手に○番のゼッケンの架空の臭い匂いというものを作り出した。事実かどうかはどうでもいい、私を臭いと言ってからかいたいが為に言った大義名分だろう。
だがその時の私はそのために自身が臭いと言われるのも不服だった。その時間中、笑われながら臭い、キモイなどと言われながら顔をしかめられたりするのを想像した。それに耐えうる自信はない。
それに、もしそれが起こったらそれは確定だ。
まだあの人たちの気まぐれであって欲しかったのかもしれない。その日の授業は見学にしてもらった。

グループのリーダーが前の席だった。最初は何もなかった、と思う。だが授業中、突然にリーダーは私の方に向いてきた。私はペンでも借りたいのかと思っていたが違う。
手出してと言われたので手を差し出すと握手された。?と思っているとリーダーはもう一度握手しようと言ってきた。授業中なんだけどと思いながら再び手を出すとリーダーは私の2つ隣のリーダーの友達さんに向けて、見てみて、仲良くなっちゃったと言うと友達さんは「えー?うわヤバーキモ」とリアクションをとっていた。

どういうことだろう、と思った。その友達さんは少し前までリーダーグループから嫌われていたと記憶している。仲間割れ、ではないがいざこざがあったらしくグループからよく目をつけられていた。一人でいたことも見ていた。だから私の友人らとで学内発表会を一緒に回ったこともあった。いつの間にわだかまりが溶けていたのか、リーダーに機嫌を取るように見える友達さんに不安が募る。

握手が終わるとリーダーは「隣の席の人が貴方のこと好きだってーどうする」とからかってきた。私はそろそろ腹が痛くなっていたし、顔も火照ってきていた。私は黙っていようかと思った。だが黙っていて「何も言わないって好きってことなの?ねぇ、好きってこと?」とも言われたら嫌だった。だから申し訳なく面倒くさいと言うように”キモい”という言葉でもって返した。

するとリーダーは隣の席の人に「お前が私さんのこと好きだって、私さんにどうするって聞いたら私さん”キモい”だってウケるー」と報告した。
リーダーはお前はどう思う、と今度は隣の席の人に聞いた。
隣の席の人は「私さんもキモいと思う」と言った。リーダーはその答えにも「マジウケる」と喜んだ。
そのやり取りをすぐ前と隣で聞いていた。確信した。居心地が悪い。私はもうこの場からいなくなりたかった。
板書が私をその場に取り留めていたのかもしれない。




リーダーは顔が広かったのでクラス内外ガンガン交流するし隣の席の人ともあんなフランクに会話してるのも知らなかったねえ…敵に取り囲まれてる感じだったねえーでもこの時はもうすぐクラス替えやしと思って保ってたけど・・・。
とことんツイてないもので・・・悪縁ってやつなんでしょうかね・・・エピソードはまた次に。