悪路、ぬかるみ惑い

なんか無節操なこと備忘録兼ねて

ここは のむら

勇者になりたかったのだ、いや勇者自身は大変だから勇者のパーティ一行でもいい。
戦士でも回復術士でもなんでもいい。とにかく勇者の仲間になりたかった。

小さい頃はそうなれると信じていた。いやそうなるのだと想いを巡らせた。
でもそれは実際有り得なかった。
自分には何の力も身につかなかった、家柄が高いとかそういうことも何もない。
ただ一塊の無にしか過ぎず、その他の中の名のある固有モブはもちろん村人Aですらもない。

結局自分の努力が足りなかっただけを周りのせいにするなと言う方がいる。
きちんと努力をすれば、していれば自然と勇者に近づけるものだと言う。
だからあなたは結局努力が足りなかったのだよ、と。
だがそれを言うあなたは恵まれているのだ。
努力をしたらあなたが自らの振る舞いを変えれば周りもそれに従って、良い方向に変わっていったというのはあなたの天性の才能で努力でどうにも変えられることでも身につくことでもないのだ。

例え自分が動いても周りが必ずそれに従って動くことなどない。周りも同じ人で、自らの為に動くのだから自分が変われば周りは変わらない。


機会は誰にでも平等に与えられているように見えて実際はそうではない。
ただその機会があるように思わせられているだけ。

自分はいかに何も持たずどうしようもない。いや機会ですらも無碍にした。
普通であることを恐れて、結局普通でないことに今は怯えているのだから笑い話である。

勇者一行はSNSで簡単に知ることができる。彼らはなんだかんだ、波乱はありつつも楽しそうである。


私はいったい何で何をしようと思ったのか忘れた。何を成したいと思ったのか。今、改めて自分の立場をわきまえなければならないのに。