悪路、ぬかるみ惑い

なんか無節操なこと備忘録兼ねて

更級お嬢さん

久々に書いてみる、最近スマホだと書きにくいこともあって億劫になっている節もある・・・。

だいたいよくあることだが寝る前に人生に悲観的になる、こんなハズじゃなかったとか昔の理想と現状を比較すると天地の差ほど理想とはかけ離れていてその差に耐えられない気持ちになる。そんなもの寝る前に考えるから眠れないし体調悪くなるのよ?といわれてその通り!だけど自然に頭の中に浮かんできてしまってはそのモヤモヤを払拭するのにも結構な労力が必要になってツラい・・・。
一応眠たくなるものを服用するので前みたいに異常なハイ状態で考えることはないのだけども自然と感極まり気づけば静かに涙が流れてくるようなそんな感じ。

これは昔から度々もののあはれ的に思っていたんだけどもどうも更級日記の主人公(といって著者なのだろうけど)に感情移入して耽ることがある。幼い頃は源氏物語に憧れる様子とか夢見がちな部分とか、学生の古文の時間で物語をちょこっと触っただけなのに当時中学生だった自分が「この人・・・私と似てる」と思うくらいには共感した・・・というかそんな感じ。

宮仕えに憧れみたいなのがあったけど実際に仕えてみて失望して、結婚をすることで平凡な生活に満足して最終的には信心深い人になる・・・

というある種の庶民ぽさ、これが何者になりたいけども結局何者にもなれない平凡な庶民のように(映画でいえば鬱映画のような)サクセスストーリーでもなんでもない物語の顛末に共感を得るとともに「こういう人生にはなりたくはないな」という想いまで抱かせた問題作だった。

それぐらい彼女の夢に憧れる様はオタク女のようで源氏物語に耽るのもアニメ漫画ゲームなどに耽るのと変わらないように見えるし、宮仕えしたいという憧れも漫画家になりたいとか声優になりたいとかのそれっぽくもある。
それでも彼女は一応宮仕えするからどこにも立てない自分とは全く違うのだけども、夢が破れた後とかそういう描写が妙にリアルというか・・・
結婚とか家庭に救いを見出すとか・・・取り分け晩年の信仰に救いを見出すのが一番生々しくて家族や一族の安寧を願うというのが夢見る少女が大人(お母さん通り越してお婆さん?)になったような感じで見ていて心がざわめきだす・・・。
結局そうしたこぢんまりとしたテリトリーに意識が帰ってくるというか・・・夢に挫折した後の身の固めかたのお手本のようだと思ったのだ・・・。

悲しくなるけどこうはならんようにとぼんやり思っていた学生時代、気づけば更級日記のように夢も泡沫になり信仰に救いを見出すようになりつつあると怯える私がいる。
日記の彼女は何かを成し遂げようとして成し遂げられず平凡に身を包み信仰することによって救われたのだ・・・私も何かに焦がれながらも何も残すことはできないままそういった神に縋って生きていくのか・・・と思った。



・・・とまで夜中は思って今日ものの本を確認してみると考標女功績あるし生まれも身分高い(代々学者家系というか道真公の家筋なんですね)しそもそも当時で文章書いて現代まで古文文学として残ってるって大成どころじゃないんだよなあ・・・。かつ更級以外にも文章書いてるっぽくて現代で言えば代々東大学者の娘が作家になったみたいな(?)・・・生まれから違うんじゃ私とは似ても似つかわん、となりました。


それでも古文苦手で全く読めない私でも更級日記は好きな物語です・・・