悪路、ぬかるみ惑い

なんか無節操なこと備忘録兼ねて

夢見るセーブ

もし一度だけ人生を好きなところからやり直せるとして、どこからやり直そうかと考えた時に自分はそもそもセーブポイントを作ってなかったんじゃないかと考えた。

人生のセーブポイントというと聞こえはなかなか格好いい響きかもしれないが、セーブデータは何個でも作れるのか、一つだけで上書き保存で足されていくのか、そもそも後にも先にもその時一回きりなのかはわからない。もしかするとそれこそ個人差があって一人一人違うのかもしれない。

何度も復元ポイントがある人、一つだけの人、そもそも全くない人。

私のセーブポイントといってやはり自分に明確にセーブした、という地点がない・・・と思う。
例えば希望した学校への入学とか、何かに入選したとか、どこかへ友達と行ったとか”良い”のピークというかそういう地点。
思えば常に自分の周りで起こっていること、きたことは”必然”のような感じでただその流れに流されてきたようなもので、ここが自分にとってセーブどころだなという地点がない。

一回だけやり直せると言われたときに選ぶ地点はだいたい人生の絶好調のピークを選ぶ人は多いように思うけど、そういう部分が自分にはなかった風に思える。あそこでこうしておけば良かったという部分は存在するが、そこはセーブポイントではなくて現状から見たもしも~こうしていたらの空想にしかすぎないという感覚がある。
セーブポイントは二つの選択肢がある分岐点の前というイメージであって、自分のそれは一つの選択肢しかないのにもう一つを選択できると考えた上での想像なのだからやり直せるという部分でもそもそも私の前には二つも分岐点はないのだ。

オートセーブ機能が備わっていたとしてもそれは自分で選んだ地点じゃないし、例えば幼児からやり直すとかそういう全体からのやり直しになる。そんな莫大なやり直し(ゲームでいえばラスダン手前でレベルやスキルがそこそこ上がっている状態から始まりの章くらいまで)をしたいと思う時もあるかもしれないがラスダン前で詰まったと言ってもやはりリスキーで、少し手前ぐらいのスキル覚えたてとかそういうところでやり直したいと思うのではないのだろうか。

(パラメーターを一から振り分けしたいとかそういう攻略法を得た先なら「はじめから」を選べるかもしれないが、攻略に必要なパラメーターの割り振りがわかっていないと躊躇いはあるだろうと思う)

バックアップを取って来なかったからどこが自分の最高地点だったのかがわからない。(そもそもないのかもしれないが)ただこれからそういう地点が現れると思うのも希望的観測に過ぎないように思う。(現状でセーブしとくかという気も起きないし)

マルチエンディングを見たいと思えるのは、他に選ぼうと思えば選べた分岐地点があったからだ。自分はその”選べる”もないのにこうだったらと思うのはただの願望で、所謂「~なろう」とか「転生」という概念と変わらなくてそれはやり直しというよりは生まれ変わりなのだろうなと思う。

自分じゃない何者か、に今度はちゃんと凄い力を持った存在に生まれ変わりたい、おそらくそういった願望、空想なのだ。


夢を見るだけにならないようにこうはなりたくない子は意識してセーブポイントは作って置いた方がいいかもよ、という戯言でした。奇文です。