悪路、ぬかるみ惑い

なんか無節操なこと備忘録兼ねて

雲の王国

脈絡なくふとストーリーを思い出して実際どんな話だったか気になったので久々に漫画を読んだ。
不調になってから漫画一冊読むのもままならなくなったものだけども、読みたいと思ったものは読んでもそんなに緊張しないというか興奮しないというか・・・。
読んだのは大長編ドラえもんのび太と雲の王国』。このストーリー改めてどんなだったかなと思って久々に読んでみると、色々面白かった。


この記事には大長編ドラえもんのび太と雲の王国の』ネタバレを含んでいる可能性が大いにありますので一応注意



まずこの話ののび太くん、意外と頭が良いと思った。冴えと気付き、作品内でもドラえもんに言われているがなかなか鋭い。

まず天国はどの雲にあると聞いて馬鹿にされるが図書館に行って文献(神話や伝承)を集めるというらしくなさ(言われてるけど)

雲の王国を作るために雲かためガスという道具で雲を大地に固めていくのだがそこでのび太は、「(雲は水の粒の集まりだから固めると雪(氷)になってしまうのでは・・・?)」と気づいてドラえもんに問うが実にいい質問だけど説明は長くなるので、とはぐらかされる。

・・・・・・雲は小さな水の粒で出来てるってそうだっけ・・・?と暫く私が惑った。雲は雲という独立した存在だとずっと思っていたかのように、ピンと来なかった。
数ページ前に遡って見ると先生が雲の説明をしている。水分を含みすぎて重たくなると雨になって落ちる・・・ので冷えて固まると雪になる。

・・・・・・そうだったような気もする。小学校で習うような初歩的な学なのに、なんかもう初めて知ったような驚きがあってしまった。


雲の上に湖を作って泳ごうとするが寒いと跳ね上がるのび太。まだ4月だものと言われるが、赤道付近に南下すればあったかいから移動させようと提案する件があるが、やっぱり・・・冴えすぎてないか?

のび太のパパの知人が来て株式王国というアイデアを閃くのも小学生が株を思いつくか・・・!?とこの作品ののび太賢すぎないかと思った。
(そして未来デパートの通貨とのび太たちの時代の通貨のレートって・・・?謎なのだけどビンテージは高くつくとかだったっけ・・・?)



中盤、天上人が現れてしずかジャイアンスネ夫たちと別れて行動する場面が出てくるが、雷を受けて故障したドラえもん(小さい頃はこれがけっこうトラウマになった)と二人で天上の絶滅保護地区うろついて、ドンジャラ村のホイくんたち(この雲の王国は他の大長編シリーズに比べても本編の単行本からのゲストが多い気がする)に会って話を聞きにいくところでも妙にのび太がかしこく映る。

自分の王国に帰ってきてどこでもドアを捻ると外は大洪水。「南の島を押し流したみたいに!?」とのび太はノア計画を察する。やっぱり察しがいい。(ここら辺はしずちゃんたちとの帳尻合わせかもしれないが)

改めて読むとこの話ののび太、妙に察しがよく閃き賢い・・・。全然ダメな子じゃないじゃないか、ちょっと提出物にルーズなだけで・・・と思った。


『雲の王国』は小さい頃はちょっと話が難しく感じていた。あとドラえもんが故障する系の話だと絶望的になって気分が下がってしまうので読むのが辛いなあと思っていたところもある。
(前作の砂漠もしずかちゃんが・・・・・・だし次作であるブリキもドラが・・・・・・なのだけども)
しかも大々的にいかれた感じになるので辛い・・・

レダガナノコンケタブツ!」と終始奇声モードにるドラに当時はつれぇ・・・と思ったものだ。
しかものび太の実質一人で行動するようなところ、仲間も実質連れ去られたようなものだし、これ全部元通りになるのか・・・?と絶望的な状況に感情移入していたのかもしれない。
(次のブリキもやっぱりこんな調子なのだけれども・・・)

今見ると天上人はけっこう謎が多くて、ちょっと傲慢すぎないか?とも思った。一応旧約聖書のエデンがそのまま続いたら・・・みたいな場所なのだけれども。
天上人も地上人と同じ人間、住んでる場所が違うだけとか言われても・・・・・・異質すぎない?
地上人と同じく地球の民で地球を守りたさ(と天上の絶滅を防ぐため)故にノア計画を進めようとするってのも今見ると得体知れないなあ・・・。ちょっと極端すぎないか・・・?なんて思う。


ただ染みるなあと思ったのはのび太たちがノア計画が実行された時間軸に入ってしまって、人類が約5千年かけて築き上げてきた文明がこんなにも呆気なく一瞬で終わってしまうなんて・・・という場面は切なくなった。
どんなものも創造し築き上げるのには物凄い時間と労力とがいるのに壊れるのはたった一瞬というのは本当にそうだなと思った。
ドラえもんが直ってホッとする一方その隣でしょんぼりしたのび太のカットが哀しかった。

(その後またのび太が冴えるのが面白いんだけども・・・)


後は雲戻しガスだとかいう物騒なものも出てくるけれどもそのあたりは今見ても難しく感じた。悪党たちに王冠を奪われてしまった辺りもハラハラする場面である。

最後はドラえもんの石頭で強行突破阻止で片を付けるけれども、あの辺りの部分は今見てもやっぱり難しいな・・・。


立派になったキー坊が出てきたりとか絶滅した動物とかが出てくるとかこの作品はゲスト出演が本当に多いのだけれども、ただ単に面白いだけでなく色々と複雑な難しさもあって読めば読むほど味わいのある魅力がある作品だなあと思う。
もちろん天上人はちょっと感じ悪いし物事への考えが極端なようには見えるけれどものび太たち地上人側が完璧な善とも言えないし勧善懲悪という訳ではないその傾向も強くでてるように思った。


・・・・・・読み終わって久々に読了感があった。
続けてブリキかアニマルプラネット読もうかと思ったけど今日はもういいかな・・・。


その後久々にグリコのマイルドカフェオーレ飲んだら美味しかったです。



(実は未だにこのお話のアニメ映画は見たことがない・・・アニメ見たらちょっと悲しくなりそうだなと思ったり)